『草枕』を片手に、那古井の館へ・・・・・・

    馬子唄の鈴鹿越ゆるや春の雨
志保田の隠居・・・前田案山子

春の星を落として夜半のかざしかな


花の頃を越えてかしこし馬に嫁

 
那美のモデル・・・前田卓子

赴任まもないころの
夏目漱石


あきづきけばをばなが上に置く露の、
けぬべくもわは、おもほゆるかも

 

 ※ 草枕絵巻より
   所蔵者 : 奈良国立博物館

水の上のオフェリア
山本麻佐之(山本丘人)筆
[鏡池』
 


2005年4月24日より一般公開。
従来、「漱石館」と呼ばれ、「離れ」の一部屋のみ公開されていましたが、草枕に登場する「浴場」が2004年度に修復工事を終え、母屋を除く別邸敷地とともに、初めて一般に公開されることになりました。

那古井館より徒歩2分

 
■漱石を偲ぶ文学散歩■
 


おい」と声を掛けたが返事がない。


有名な一節、峠の茶屋をあとに、峠を下り有明海のノリヒビを間近かに見るみかん畑の中に「草枕」のモデルになった那古井の湯 小天温泉 那古井館は在る。
俗塵をよそに、ひっそりと佇む湯の宿那古井館はその面影を残す。漱石が泊まったいう部屋から鏡池を散策し、あるくと、ここでも「おい」と声を掛けられそうな宿・・・
そんな 那古井の宿。
「草枕}のモデルになった前田案山子(かかし)・卓子(つなこ)父娘と、当時の漱石の写真が玄関に飾ってある。
館自慢のカニ懐石をはじめ、いろんなコースの料理にも舌つづみ。
静寂の宿で、獲れたての有明の幸とひなびた旅情が明日の「草枕」紀行をかりたてる。

 

 

 

 

小説[草枕}を読む

青空文庫より

前田家別邸入口付近

 

 
内部風呂場


明治30年の大晦日、五高教授の夏目漱石が2度目の正月を静かに過ごそうと同僚と2人で、ここ小天温泉を訪れた。
「温泉や 水滑らかに 去年の垢」とのんびりと数日を過ごし、この小旅行を素材にして書いたのが、明治39年発表の名作「草枕」である。

『草枕』一(冒頭)

山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。
智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。
とかくに人の世は住みにくい。・・・・・・・・・